子猫と少年~動物との縁~

今日のこと。

 

車を運転中、前方に子猫が横たわっている。

ああ・・・轢かれちゃったんだ。

 

車を停める場所を探していると、

その間に、自転車で下校途中と思える中学生男子が

車が次々に走行する隙を見計らって、

急いで子猫を抱きかかえ、歩道脇まで救出した。

 

後から駆け寄り、男の子に「大丈夫?」と声をかけると、

その子の腕に抱かれた子猫は、すでに息絶えようとしている。

手の施しようがないのは明らかだった。

 

「どうしたらいいですか?」と男の子。

「そのまま抱いててあげて」と私。

 

数分、苦しんだ後、子猫は旅立った。

 

子猫の冥福を祈りながら、

亡骸を葬ってあげなくては・・・と考えていると、

子猫を抱いたまま、まっすぐな瞳で彼は言った。

 

「うちに連れて帰って、庭に埋めてあげます!」

 

自分のリュックからタオルを取り出して、

子猫をやさしく包み、

自転車のカゴに乗せて彼は帰っていった。

 

その後姿がとても頼もしく暖かかった。

 

悲痛なニュースが多い中、

まだ若い彼の勇気と優しさある行動に

胸が熱くなりました。

 

子猫の命は短いものでしたが、

この男の子と最期に出会えて、

彼の温情を受けたことは、

子猫の魂に深く刻まれました。

 

数年後、数十年後、

いつかはわからないけど、

再び彼らは出会うことでしょう。

 

魂の縁はそうして巡り、繋がっていきます。

 

子供時代、若かりし頃に出会う生き物は、

私たちに命の儚さ、大切さを学ばせてくれるために出会います。

 

今、あなたの傍らにいる動物も、

これまでの過去や、前世において、

きっとどこかで出会っていたでしょう。

 

それは、今日のこの男の子のように、

つかの間のふれあいだったかもしれませんし、

あるときに、心救われた動物との出会いだったり、

逆に、動物に対する自分の過去の過ちであっても縁は繋がります。

 

よい感情にしろ、嫌な思い出にしろ、

一瞬でも何らかの想いが生じたことで、縁は繋がり、

互いに学びあいの関係が生まれます。

 

そうして、紡いだ動物との「縁」。

大切にしていきたいですね。