投影

共に暮らす動物を、自分の見たいように見てしまうこと。

これは飼い主の一人である私にもやってしまいがちなことで、

常に自分自身、パートナーである動物達に向けている想いが

彼らにとって不都合なものではないか、時に省みています。

 

例えば・・・

(犬のケースが多いので犬を例えてお話しますが、他の動物でも考えられます。)

 

自信の無い人、自分には価値が無いと思いがちな人は

愛犬を自分の「自信」、自分の「価値」として、

たくさんの人に見てもらいたい、認めてもらいたい、

褒めてもらいたいという願望を持ちやすく、

 

強い自分でありたい、強く見られたいという思いが強い人は

愛犬の強さ(気の強さ・体の強さ)に価値を見出したり、

 

誰かに優しくされたい、甘えたいと願う人は、

愛犬に対して必要な場面で、時に厳しく諭したり、

丁寧に教え学ばせることができない傾向にあったり、

 

誰からも良い人、または、正しい人と思われたい人は、

愛犬が人前で自分にとって恥ずかしい事や

失敗しないかどうか、ということばかりに気を揉んだり、

愛犬に他人に愛想を振りまくこと求めたり、

 

人から尊敬されたい願望が強い人は、

自分のステータスとして、愛犬が名声を得るために

様々な分野で活躍することを求めたり、

 

目立ちたい願望がある人は、

愛犬が目立つようなスタイルをさせたり、

愛犬に目立つようなパフォーマンス性を求めたり、

 

誰かに必要とされたいという願望が強い人は、

愛犬を自分がいなければ何もできない可哀想な存在、

また、この子は辛い過去を持つ子という事に価値を感じたり、

愛犬に対して過干渉、幼児扱いする傾向があったり、

 

愛犬が自分とは異性である場合、

理想の男性像、理想の女性像を愛犬に求めたり、

 

ケースは他にもありますが、このように、

人は自分の満たされない何かや、抑圧されている潜在意識、

理想の自分像、周りから思われたい自分像などを、

無意識に愛犬に投影しがちです。

 

犬達は愛情と一緒に飼い主が与えてくれるこの「投影」された想いまでも

素直に受け入れ、その通りの姿で生きようと頑張ります。

それが飼い主の望みであると知っているからです。

(動物は私達人間よりも第6感が優れているので、

私達の潜在意識を、私達自身よりもよく知っているのです。)

 

飼い主は、自分が投影した通りに頑張ってくれる

愛犬を更に愛おしいと感じていきます。

 

しかし、犬達が頑張ることにも限界があります。

本来、その子が「こう生きたい!」と思う道、今世での学ぶべき課題、

使命、魂・精神の本質から、外れたものになればなるほど、

ストレスを感じ、飼い主との関係に歪が生じたり、

苛立ちを感じ、攻撃的になったり、塞ぎ込んだり、

体調に影響を及ぼしたり、問題行動に発展しやすくなります。

 

動物達は飼い主に素のまま、ありのままの自分を知ってほしいと願っています。

 

投影することと、愛する事は違います。

 

知らず知らずのうちに自分の一方的な「想い」で愛犬を抑圧していませんか?

愛犬の見たくない部分に蓋をして、自分の見たいように愛犬を見ていませんか?

 

そんな事を私もイチ飼い主として、時に省みるよう心がけています。