福島原発周辺で取り残された動物達

4月5日、原発20km圏内に残り、取り残されている動物達に餌やり・保護に

奮闘しておられる方のご支援、放浪犬の救助に行ってきました。

 

20km圏内ということで町や村には人の姿はありません。

マスコミもほとんど立ち入っていません。

 

30km、20kmの地点では事実上「立入り禁止」で検問があり、明確・適正な目的がなければ

簡単には通してもらえません。

 

未だ多数の行方不明者がいる。でも原発避難区域のため、ほとんど捜索も進んでいない。

 

いくつかの保護団体や活動家のみなさんによって救出されていますが、

現地ではまだまだ多くの動物達がいます。

 

牧場や酪農が盛んな地域でもあるため、犬、猫、馬、牛、鶏など、本当に多くの

動物達が続々と餓死していく状況にあります。

 

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この日、私達が活動したのは20km圏内の山村。

そこは、とてものどかで、私が住む栃木の山間の集落と似ている風景。

民家には急いで停めたと思われる自家用車、干しっ放しの洗濯物。

そんな光景から一刻の猶予もない緊急の避難だったことが感じられました。

 

この山村ではほとんどが犬は外飼い・番犬ですが、

のどかな山村で人と犬のシンプルな関係を保ち、

そこには飼い主さんへの忠誠心、謙虚さ、信頼が育まれています。

 

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「生きててくれ!」との飼い主さんの苦渋の決断によって鎖を外されても

自宅の周辺で飼い主さんをひたすら待つ犬達。

 

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緊急避難時の慌てた状況の中、これで命を繋いどいてくれ!と炊飯ジャーから出されたご飯と

転がっている焼き芋、山盛りのフード。

 

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この村の犬達は番犬としてのプライド、また、取り残された不安から

警戒心が高まり、お腹が空いていても、やすやすと見知らぬ人には近づかない子も多く、

保護には犬の気持ちを理解しながら、慎重に接することが求められます。

 

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犬達は飼い主さんの帰りをひたすら待ち続け、

帰宅が困難な状況の中、避難所で余ったパンやおにぎりを山盛りに持って帰る飼い主さん。

 

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この日、保護したのは3匹。

内、2匹が骨折をしており、翌日、別の方が動物病院への搬送をして下さいました。

他にも未だ残る動物達を探しながら餌まきをしつつ、自宅に戻ったのは夜中の3時。

ちなみに、スクリーニングは基準値以下、靴の裏に多少反応が出るものの、

服も靴も洗えばOKとのこと。

 

避難区域に関する政府の方針・制限は刻々と変わりますので

今後、状況がどうなっていくかわかりません。

 

それでも、過酷な死を迎えている動物達がいることは現実です。

 

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